♪ 今回の一曲:荒井由実「晩夏(ひとりの季節)」
1976年のアルバム『14番目の月』収録曲。夏が去っていく寂しさと、秋へ移っていく時間の感覚が、今の季節によく似合います。Spotifyでも「晩夏(ひとりの季節)」の荒井由実オリジナル音源が確認できます。
🎙 RADIO CM「夏の忘れもの」篇[120秒]
【SE:遠くで鳴くツクツクボウシ。微かな波の音】
女:
9月になった。
カレンダーだけなら、もう秋。
でも、昼間の日差しはまだ夏で、
冷蔵庫には、飲みかけの麦茶が残っている。
【SE:窓を開ける音。風が入る】
なのに夕方になると、
風だけが先に、秋になっている。
不思議だね。
季節って、
ある日突然、変わるんじゃない。
気づかないくらい静かに、
少しずつ、
昨日を遠くしていく。
【2秒の間】
今年の夏、
あなたは誰といましたか。
海へ行った人。
花火を見た人。
何もしなかった人。
そして――
会いたかった人に、
会えなかった人。
【SE:遠くを走る電車の音】
「あの夏は楽しかった」
そう言えるようになるまでには、
少し時間がかかる夏もある。
終わってほしくなかった時間も、
言えなかった言葉も、
もう一度会いたかった人も。
夏は全部、
置いていってしまう。
……そう思っていた。
【BGM:静かなピアノが立ち上がる】
でも、違うのかもしれない。
夏が置いていったんじゃない。
私たちが、
その夏を持ったまま、
次の季節へ歩いていくんだ。
だから、ときどき、
理由もなく胸が痛くなる。
風の匂いひとつで、
何年も前の夕暮れを思い出したりする。
【2秒の間】
ユーミンの歌には、
そんな「季節の記憶」がある。
聴いた瞬間、
忘れていた自分に会える歌がある。
9月。
夏と秋のあいだ。
今日だけは少し遠回りして、
ユーミンを聴いて帰りませんか。
【SE:風。虫の声が秋の音へ】
NA:
今夜の一曲。
荒井由実
「晩夏(ひとりの季節)」
夏は終わる。
でも、
夏の記憶は終わらない。
あなたの中にある「あの夏」へ。
――ユーミンを語ろう。


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