コラボレーションマーケティングとは何か?
コラボレーションとは、「協力」や「共同」を意味する言葉です。つまり、2つ以上の企業が一緒になって行うマーケティングが、コラボレーションマーケティングと呼ばれます。
一見して直接関係のない商品やサービス同士であっても、親和性の高い部分があればコラボすることで、新たな価値や顧客を創造することができます。結果、時にはバズるといった高い注目度を生み出すこともあります。
長くプランニングに携わってきた私の経験の中で、コラボレーションマーケティングは交渉や調整など負荷も大きいですが、実現時のプロモーション効果も高く、とてもワクワクとした躍動感を生み出すビジネスです。
コラボレーションマーケティングが生み出す4つのメリット
数多くの企業が導入を進めるコラボレーションマーケティングですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのメリットにポイントをしぼって解説します。
新規顧客の獲得
異業種の企業やブランド間のコラボレーションによって、お互いの既存顧客を新たなリード(見込客)としてアプローチできるため、新規顧客の獲得とシェアの拡大が期待できます。
認知度の向上
人気が高いブランドや有名企業同士のコラボは話題性が高く、SNSで拡散されたり、大手メディアの記事に掲載されたりすることで企業や商品の認知度を高めることができ、新たなリードの発掘にもつながります。
コストの削減
コラボレーションマーケティングでは複数の企業やブランドが共同で実施するため、コスト削減が可能です。また単独では実現できない大規模なマーケティング戦略も、コラボによってコスト削減と両立できる可能性があります。
ブランド力の強化
定番商品や人気ブランドにはファンが多い反面、マンネリ化によって新規顧客の獲得が難しくなるという問題がつきまといます。その打開策がコラボレーションマーケティングです。コラボの相乗効果でブランド価値が向上して顧客の期待も高まります。
コラボレーションマーケティングを成功させるためのポイント
コラボレーションマーケティングを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
コラボレーションで共通のターゲットオーディエンスに訴求できる
コラボレーションする相手との間で、共通のターゲットオーディエンスが存在することが重要です。お互いのブランドが同じ顧客層にリーチできる場合、シナジー効果が期待できます。
コラボレーションでブランド価値の一致を図りブランド訴求効果を高める
パートナーとなる企業やブランドの価値観やイメージが、自社ブランドと一致していることが大切です。異なる価値観を持つブランドとコラボレーションすると、顧客の混乱やイメージダウンにつながる可能性があります。
コラボレーションの明確な目標設定
コラボレーションの目的を明確に設定することが成功の鍵です。売上増加、ブランド認知度向上、新規顧客の獲得など、具体的な目標を共有し、それに向けた戦略を立てることが必要です。
コラボレーションの相互のメリット
コラボレーションが両方のパートナーにとってメリットがあることが重要です。例えば、一方がリーチを拡大でき、他方が新しい市場に参入できるなど、ウィンウィンの関係を築くことが成功につながります。
コラボレーションによる効果的なコミュニケーション
コラボレーションの成功には、相手との密なコミュニケーションが欠かせません。プロジェクトの進行状況や問題点を定期的に確認し、お互いの期待や要望をしっかりと伝えることが重要です。
コラボレーションで生まれるクリエイティブでユニークなアイデア
コラボレーションによって、顧客に新しい価値や驚きを提供できるよう、クリエイティブでユニークなアイデアを考えることが大切です。他とは違う、新鮮なアプローチが成功を呼び込みます。
長期的な視点でコラボレーションを考える
短期的な利益にとらわれず、長期的な視点でコラボレーションを考えることが重要です。継続的なパートナーシップを築くことで、ブランドの信頼性や市場での立ち位置を強化できます。
これらのポイントをしっかりと押さえ、パートナーと共に協力して進めることで、コラボレーションマーケティングを成功させることができます。
コラボテーションマーケティングの実例
20数年前になりますが、私が初めてプランニングして実現したコラボテーションマーケティングの実例で、avex所属のFavorite BlueというJ-POPのアーティストと洋服の青山商事でキャンペーンを企画し実施しました。
これはFavorite Blueのファン層と青山商事のリクルートスーツのターゲット層が重なることを狙って、青山商事の店舗でのポスター等の掲出と楽曲の放送でFavorite Blueを訴求し、青山商事のリクルートスーツのCMでFavorite Blueのオリジナルソングの「truth of love」の楽曲を使用するというものでした。
歌詞のサビの部分で「わたしという名の存在が始まる~」というフレーズがあるのですが、青山商事のフレッシャーズキャンペーンに合わせて作成し、CMでONーAIRして始まり感を演出したことを覚えています。
CMで使用した曲ですが、通常楽曲をCMで使用するとJASRACの楽曲使用料を支払わなくてはなりませんが、JASRACはCMのために書き下ろされたCM委嘱作品の使用料免除期間は原則1年使用料免除期間を設けるという規定があり、楽曲使用料は支払いませんでした。
コラボレーションとタイアップ
よくコラボレーションと同じような意味で使用される言葉にタイアップというモノがありますが、厳密には意味が違います。コラボレーションには「協力」や「共同作業」という意味があり、対等な関係にある者同士が何かを一緒に作り上げるというニュアンスを持つ言葉です。
企業とアーティスト、作品、キャラクターなどが協力して、「成果物(商品)の付加価値を高める」場合に使われると考えてください。これに対して、タイアップには「商業的な成果(売上や利益、知名度)を上げる」ための提携という意味合いが強くあります。
よくお菓子のパッケージにアニメのキャラクターが登場するというケースが見られますが、売上や知名度を上げるための提携と考えてください。共同で新しい何かを作り上げるというモノではありません。
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