人事異動や新規ビジネスで広告代理店と付き合わなくてはならなくなった。しかし、なんとなく抱いている先入観でどうもうまく付き合えそうにない。でもこのブログを読めば広告代理店への苦手意識も払拭でき、広告代理店との付き合いがあなたのビジネスにより多くの恩恵をもたらすことが可能となります。
広告代理店との付き合いの第一歩。ここから始めよう!
セクションに配属されると、いくつかのエージェンシーと名刺交換をすることになりますが、いざ仕事となると誰に何をどうお願いしたものか頭を抱えてしまうケースに出会うこともあると思います。
自分が抱えている悩みを相談してみる
新製品・新サービスの登場が予定されていて、そこである日突然「これオリエンしといて」と上司から丸投げされる。オリエン…さて、なにを誰にどのようにすればいいのか。ネットに出ているオリエンテーションのテンプレートなどを見ながらひとり悶々と考える…自分も広告代理店にマル投げしてしまおうか…そんな場面が想像できます。
実は私もクライアント側の企業に勤めていた時期があり、まさに広告代理店とクライアントとして対峙する立場でした。最初はなんとなくの苦手意識で広告代理店を避けるようにしていたんですが、ある日「解ったら教えて欲しい」という軽い気持ちで尋ねると、とても真摯に対応してもらえたことがあり、それをきっかけに徐々に信頼関係が築かれていきました。
悩みを抱えて悶々としているのではなく、顔を上げればそこには広告代理店の担当者が。まずは自分が抱えている悩みを相談してみることをお勧めします。何回かの会話でその人の人柄も垣間見えるでしょう。そしてそこから関係構築がスタートします。
実は日常の会話の中で広告の依頼が行われる
相談といっても形式にとらわれてかしこまってする必要はありません。あくまで広告代理店の担当者との人付き合いですから、普段の何気ない会話からはじめて大丈夫です。
相談の次のステップのオリエンテーションにおいても、背景を整理し条件を整えてオリエンテーションできれば美しいですが、実は広告代理店への依頼というのは担当者との普段の会話の中で行われることが多いのです。
例えば広告代理店の担当者に対し、「今度競合プレゼンのオリエンしたいと思っているんだけど、条件として何が必要?何が聞きたい?」すると向こうから必要な情報が上がってきます。決してマル投げではない日常のやり取りから良好な関係が発展していきます。
広告代理店との良好な関係がビジネスを発展させる
広告代理店との関係も良好になってきて、依頼もスムーズに行われるようになると気の緩みから馴れ合いの関係なってしまうことが危険です。やはりビジネスですから結果・目標を見失うことは避けましょう。
そして広告代理店の担当者はやはり他社の人間で、彼らはけれらなりのミッションや目標があったりします。お互いのビジネス目標の達成を目差すという意識を大切にしましょう。
広告代理店との関係を拡大・深化させていく
貴方に対峙している広告代理店の担当者は一人の個人ですが、彼は会社組織の一員でもあります。win-winの関係を構築し、こちらから提供する課題に対して広告代理店の担当者が所属する組織のリソースをどれだけ引き出して自社の目標を達成させるかが重要になります。
広告代理店の担当者の背後にいるエキスパートも活用
貴方に対峙する広告代理店の担当者個人はすべてに対応できる万能なビジネスマンではありません。私がこれまでの経験の中で出会ってきた優秀な担当者は、その組織にいる多くのエキスパートに支えられている人でした。
そして、優秀な広告代理店の担当者の多くは社外にもネットワークを広げ、クライアントが求める時に最適なサービスを提供できる人材でした。
貴方が広告代理店の関係者と良好な関係を持つことができれば、彼の持つ社内外の貴重なリソースの提供・活用することが可能となります。
広告代理店の組織内で自社独自のチームを作ってもらう
広告代理店から最適なサービスの提供を受けるためには、広告代理店の社内で最適なサービスが提供できるチームを作ってもらうことが必要です。
そのために自分が何を求めているのかを明確にし、それに合わせたチーム作りを促し、可能であれば担当者が所属する広告代理店組織への働き掛けも必要かもしれません。
これは社と社の関係なることが多く、以前に私のビジネスでは直属の上司や管理職までも巻き込み関係を発展させたケースもありました。
担当者が広告代理店の組織を動かすストーリーを創る
広告代理店の中でのチーム作りがスムーズに行えるように、クライアントサイドからは担当者と一緒になってストーリーを創ることがあります。
それは、なぜそれが必要なのか。そして、それがあったら何が成し遂げられるのか。結果が得られるサクセスストーリーがあると、より組織を動かしやすくなります。
広告代理店への苦手意識は作り上げられたイメージ
そもそもなぜ広告代理店に苦手意識を持ってしまうのか。これは映画やドラマでよく出てくるマスコミの人のイメージが強く影響しているからではないでしょうか。派手なスーツにサングラスをしてやたら逆さ言葉を使い人のことを”ちゃん付け”で呼んだりする人。「ザギンでチャンネーとシースー」…なんて、そんな人はいません。
作られた広告代理店の架空のイメージに戸惑う
これは本当にメディアの大罪とも言えますが、なぜ広告エージェンシーやマスコミの人間は浮世離れした存在として描かれてきたのか。確かに過去のバブル期に日本全土が浮足立っていた時など、流行の最先端を行っていると勘違いした人たちゴロゴロといました。
しかし、それをステレオタイプにようにキャラクターとして作り上げ、何度も何度も登場させていれば、広告エージェンシーにはそのような人がいるところだと、もはや既成事実のようになってしまいました。
ですが、わたしはもう何十年も広告・コミュニケーションの業界にいますが、いまだかって映画やドラマに出てくるステレオタイプの人には出会ったことはありません。もしあのイメージを持っていて、それが近寄りがたいと感られているのであれば、そんなキャラクターはいませんから安心してください。
但し、広告代理店の取り扱いには注意が必要
とはいえ広告代理店の担当者とは人と人の付き合いですから、中にはウマの合わないヤツがいたり、どうしてもいけ好かない人も出てきます。やはり違う組織に属する人間ですし、必然的に文化の違いがあって考え方や物事へのスタンスも違うかもしれません。プライドが人一倍高い気質もあります。
それでも貴方の担当者が広告代理店社内で評価されると、貴方のビジネスのどのように好影響が与えられるか。それを理解したうえでお付き合いすると、力強いパートナーとなる可能性が広がります。
広告代理店と強固な信頼関係で結びつく
以前の話になりますが、私が過去に担当していたクライアントのビジネスで、クライアントサイドの関係会社のミスで大変なトラブルが起きそうな状況がありました。そのとき自分たちのミスではないと、かかわらないことも出来ましたが、そのトラブルが起きれば最終的にクライアントに被害が発生すると思い、社を挙げて徹夜でトラブルに対処したことがあります。背景にはクライアントとの良好な関係があったからですが、結果より強固な信頼関係与えられ、その後のビジネスに両者ともに大変な好影響がもたらされました。
最初は付き合いを始めるのに躊躇したりすることがあるかもしれませんが、日常のやり取りの中で広告代理店の担当者の人柄を理解し強く結びつくことができれば、最良な結果が必ず得られるはずです。
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