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SNS時代の炎上からブランドを守れ!リスクマネジメントとクライシス局面の対応。

世の中にSNSが浸透し情報の伝播が飛躍的に早くなりましたが、反面悪いうわさや誹謗中傷も一気に広まるリスクも増えました。商品を扱う方や製造に携わる方、販売を担当される方など日々そうしたリスクに対峙されていると思います。そんな方々に対してリスクを管理する方法、そして万が一問題が発生した時の対処法についてお話ししたと思います。

炎上からブランドを守るためにリスクマネジメントとクライシス局面の対応を考える

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コレステロール対策を謡ったサプリメント「紅麴」が健康問題で騒動となりメディアやネットを賑やかし、企業やブランドに多大なダメージを与えています。企業の対応も正しかったとはいいがたく、リスク時においての振る舞いを考えさせられる状況にあります。

リスクマネジメントとクライシス局面の対応は、企業や組織が抱える重要な課題です。この概念を理解し適切に実施することで、予期しない問題に対して迅速かつ効果的に対応することができます。以下に、リスクへの具体的な対応方法をわかりやすく説明します。

リスクマネジメントとは?

リスクマネジメントとは、企業や組織が直面する可能性のある問題や危険を事前に認識し、それに対してどのように対応するかを計画するプロセスです。リスクマネジメントの目的は、リスクが現実化したときにその影響を最小限に抑えることです。

リスクマネジメントのプロセス

  1. リスクの特定:
    • リスクを特定する第一歩は、どのような問題や危険が存在するかを洗い出すことです。これには、過去のデータや業界の動向、内部の意見などを参考にします。
    • 例えば、製造業では機械の故障、自然災害、人為的なミスなどがリスクとして考えられます。
  2. リスクの評価:
    • 特定したリスクがどれだけ重大かを評価します。リスクの発生確率とその影響度を評価し、リスクの優先順位を決定します。
    • 例えば、頻繁に起こり得るが影響が小さいリスクと、稀にしか起こらないが影響が大きいリスクを比較し、どちらに重点を置くかを決めます。
  3. リスクの対策:
    • リスクの発生を防ぐための対策を考えます。これには、リスクを回避する、リスクの発生確率を減らす、リスクの影響を軽減するなどの方法があります。
    • 例えば、機械の故障リスクに対しては、定期的なメンテナンスを実施することでリスクを減らすことができます。
  4. リスクの監視と見直し:
    • リスクマネジメントは一度行えば終わりではなく、継続的に監視し、必要に応じて見直すことが重要です。環境や状況の変化に応じて、リスクの特定や評価、対策を更新します。
    • 例えば、新しい技術が導入された場合、その技術に関連する新たなリスクが発生する可能性があります。

クライシス局面にどう対応するか?

クライシス局面とは、予期せぬ重大な問題や事件が発生し、迅速かつ適切な対応が求められる状況のことです。クライシス局面では、組織の評判や信頼、さらには存続そのものが危機にさらされることがあります。そのため、クライシス対応の計画と実行は非常に重要です。

クライシス対応のプロセス

  1. 緊急対応チームの編成:
    • クライシスが発生した際には、迅速に対応するためのチームを編成します。このチームには、広報担当者、法務担当者、技術サポート、顧客対応担当者など、必要な専門家が含まれます。
    • 例えば、製品リコールが発生した場合には、製品開発担当者や品質管理担当者もチームに加わります。
  2. 事実関係の確認:
    • クライシスが発生した際には、まず何が起きたのかを正確に把握することが重要です。事実関係を迅速に確認し、誤った情報が流れないように注意します。
    • 例えば、データ漏洩が発生した場合、どのデータが漏洩したのか、原因は何かを特定します。
  3. メディア対応戦略の策定:
    • クライシスが公に知られる前に、メディア対応戦略を策定します。これには、公式声明の準備、質疑応答の準備、発表タイミングの設定などが含まれます。
    • 例えば、記者会見を行う場合には、事前に質疑応答のシナリオを準備し、一貫したメッセージを伝えることが重要です。
  4. 迅速な公式発表:
    • クライシスが公に知られる前に、迅速に公式発表を行います。透明性を持ち、事実を正確に伝え、問題の解決に向けた取り組みを示します。
    • 例えば、食品に異物が混入した場合には、原因と対策を明確にした公式発表を行い、消費者の不安を和らげます。
  5. 継続的な情報提供:
    • クライシスが解決するまでの間、継続的に情報を提供します。進捗状況や対応策の進展を定期的に報告し、透明性を確保します。
    • 例えば、工場の火災が発生した場合、消火活動の状況や再建計画について定期的に報告します。
  6. ソーシャルメディア対応:
    • ソーシャルメディア上での反応をリアルタイムで監視し、迅速に対応します。ネガティブなコメントに対しても冷静かつ丁寧に対応し、信頼を築きます。
    • 例えば、SNS上での誤情報が拡散した場合、公式アカウントから正確な情報を発信し、誤解を解く努力をします。

具体的な事例

リスクマネジメントの具体例

製品リコールのリスクマネジメント:

  • リスクの特定: 製品に不具合がある可能性を認識します。
  • リスクの評価: 不具合が発生した場合の顧客への影響とリコールコストを評価します。
  • 対策: 品質管理を強化し、不具合の早期発見と修正を図ります。また、リコール時の対応手順を準備します。
  • 監視と見直し: 定期的に品質管理プロセスを見直し、新たなリスクに対応します。

クライシス対応の具体例

データ漏洩のクライシス対応:

  • 緊急対応チームの編成: セキュリティ担当者、広報担当者、法務担当者を含むチームを編成します。
  • 事実関係の確認: 漏洩したデータの範囲と原因を特定します。
  • メディア対応戦略の策定: 公式声明を準備し、影響を受けた顧客に対する対応策を発表します。
  • 迅速な公式発表: 漏洩の事実と対応策を公式に発表し、顧客の不安を和らげます。
  • 継続的な情報提供: セキュリティ強化策や再発防止策について定期的に報告します。
  • ソーシャルメディア対応: SNS上での反応を監視し、迅速に正確な情報を提供します。

まとめ

リスクマネジメントとクライシス対応は、組織の安全と信頼を守るための重要なプロセスです。リスクマネジメントでは、予測されるリスクを事前に特定し、適切な対策を講じることが求められます。一方、クライシス対応では、予期せぬ重大な問題が発生した際に迅速かつ適切に対応することが求められます。これらのプロセスを効果的に実施することで、組織はリスクを最小限に抑え、信頼を維持することができます。

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