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ラジオが切り開く新しいデジタル広告の未来。前年比127.3%

先日、電通から2023年度の日本の広告費が発表になりました。

コロナ禍の収束とともに、企業活動が再び活発化し、日本の広告費は、過去最高の7兆3,167億円(前年比 103%)となりました。中でも、インターネット広告費は、3.3兆円を超えマスコミ4媒体を上回りました。

マスコミ四媒体由来のデジタル広告費

マスコミ四媒体の広告費が減少する中、毎年注目されているのが、いわゆる「マスコミ四媒体由来のデジタル広告費」です。

2023年 マスコミ四媒体由来のデジタル広告費

 「マス四媒体由来のデジタル広告費」とは、新聞・テレビ・雑誌・ラジオの四媒体が運営しているWebメディアに投下された広告費のことで、マス四媒体のWebメディアであっても、デジタル広告であればインターネット広告媒体費に含まれます。

そのうち、新聞デジタル広告費は前年比94.1%のマイナス成長、雑誌デジタル広告費は前年比100.2%でほぼ横ばいとなった。一方で伸びているのが、テレビとラジオのデジタル広告です。

ラジオデジタル広告は驚異的な伸び

2023年のラジオデジタル広告費は28億円、前年比127.3%でした。ポッドキャストをはじめとする音声メディアが引き続き注目を集め、radikoを含むラジオデジタル広告への新規出稿、および継続出稿がみられました。

地上波ラジオ放送をSNSやPodcastなどのデジタルとの展開を融合させた施策の実施もあり、従来のラジオ広告よりも精密なターゲティング、よりパーソナライズされた広告アプローチが実現できるようになりました。

音声広告の独自の魅力

音声広告の最大の特徴は、他の活動を行いながらでも消費者の注意を引きつける能力にあります。これは、視覚情報に頼らないメディアであるため、運転中や家事を行いながらの消費者にも届けることができます。

また、音声は直接的で感情を揺さぶる力があり、ブランドメッセージをより深く消費者の心に刻むことでイメージの醸成に効果的に機能します。

そんな特徴がいまもう一度ラジオメディアを見直そうという機運を高め、デジタルラジオの領域で新しい取り組みが図られています。

ラジオのデジタル広告の後押しradicoの登場

従来のラジオ放送を一気にデジタル化したのはオンライン化で、通信環境やデバイスが普及したことで、より場所を選ばず楽しまれるようになり、聴取数は急増しました。

これに伴い、デジタルオーディオアドの収益は、世界的に右肩上がりで推移し、ラジオ放送番組を気軽に楽しめる「radiko」(ラジコ)が定着して、新たなデジタルラジオ広告市場を生み出しました。

radiko(ラジコ)」でCMを放送する方法は?広告料金はいくら? | トピックス| ラジオCMの事ならラジオCM料金プロ

radicoによりら時を放送がネット配信されるということは、広告がリーチする人数もエリアも一気に広げることになり、期待される広告効果も格段のものになります。

デジタルラジオ広告の強み

デジタルラジオに広告を出稿するということは、インターネットにバナー広告を掲載するといった行為と実は変わらない。しかし両者には大きな違いがある。

ターゲティングと効果測定

デジタルラジオへの広告出稿はデジタル運用型広告となるので、ターゲティングや効果測定ができます。

例えば、「今、90年代のJ-POPを聴いているユーザー」や「通勤中で電車移動しているユーザー」に向けて広告を打つことができます。なおかつ、統計化・匿名化されたデータから、そのユーザーたちに「何回同じCMを当てると興味を示してくれるのか?」あるいは「購入検討してくれるのか?」といった効果分析も可能です。

さらに…

  • スマホアプリへの接触頻度が高いユーザーに向けた広告を打つ
  • 同じ番組を聴いている人でも、属性や嗜好の違いに合わせて届ける広告クリエーティブを変える
  • テレビCMを見たユーザーに対して、CMを放送しない時期に企業のサウンドロゴを聴かせてリテンションを図る

など、組み合わせ次第でこれまでにないメディアプランニングができます。

もちろんユーザーデータ以外にも、時間や位置情報、天気のような外部データと掛け合わせたターゲティングも考えられます。

プラットフォームの安全性と品質

この数年、広告が意図せず公序良俗に反するサイトやコンテンツに配信されることが、社会問題となりました。

radikoなら放送局、楽曲なら音楽レーベルの許諾を得た環境でコンテンツを発信しているため、広告主のブランド価値を損なわない、安全性と品質が担保されています。

以前、J-WAVEに広告を出稿しようとしたところ、番組の雰囲気を守りたいからCMのトーン&マナーを合わせるため局側で制作したいと申し入れがありました。番組の質が守られれば広告出稿する上での効果も期待しやすいといえます。

ラジオが発揮する他メディアとの高い親和性

ラジオは、他メディアと高い親和性を持つメディアです。「ながら聴き」ができる特性により、テレビやSNSと同時に利用されることが多く、情報伝達を補完・強化します。リアルタイム性とリスナーとの密着性も強く、SNSや映像メディアとの連携でクロスメディアキャンペーンを効果的に展開できます。以下具体的な事例を紹介いたします。

「ラジオ×テレビ」連携キャンペーン

事例: TBSラジオ × TBSテレビ「音楽番組連動キャンペーン」

  • 概要: TBSラジオとTBSテレビが連携して、音楽番組の視聴を促進するキャンペーンを展開。ラジオで番組の予告や見どころを紹介し、視聴者をテレビ放送に誘導する形で、視聴率の向上を図ります。また、テレビ番組中でラジオ番組の情報も発信することで、両メディアの相互送客を実現しました。
  • 効果: ラジオの親しみやすさとテレビの視覚的インパクトを融合させることで、番組視聴率が向上し、幅広いリスナー・視聴者層へのアプローチに成功しました。

「ラジオ×SNS」連携プロモーション

事例: J-WAVE「#LOVE FM × Instagram」キャンペーン

  • 概要: ラジオ番組中にリスナーがハッシュタグ「#LOVE FM」をつけてInstagramに投稿するキャンペーンを実施。ラジオ内でリスナーの投稿を紹介することで、SNSでのエンゲージメントを促進し、オンラインとオフラインを連携させたプロモーションが行われました。
  • 効果: SNS上での話題が広がり、リスナーの参加意識を高めるとともに、ラジオ番組の認知度向上にも寄与しました。

「ラジオ×ウェブサイト」連携企画

事例: TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK! × 特設ウェブサイト」キャンペーン

  • 概要: 若者向けの人気ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」で、特設ウェブサイトと連動した企画を実施。リスナーはラジオで紹介されたキーワードや情報を基にウェブサイトにアクセスし、さらに詳細なコンテンツやキャンペーンに参加することができる仕組みでした。
  • 効果: ラジオの放送内容をウェブで補完することで、リスナーの番組への関与度を高め、ウェブサイトへのトラフィック増加やリスナーのオンライン参加を促進しました。

「ラジオ×リアルイベント」連携プロモーション

事例: FM802「RADIO CRAZY × フェスティバル」連動企画

  • 概要: 大阪のラジオ局FM802が主催する音楽フェスティバル「RADIO CRAZY」と連動し、ラジオ番組でフェスの事前情報や出演アーティストのインタビューを放送。また、フェス会場ではラジオの公開生放送や特設ブースを設置し、イベントとラジオを密接に連携させたプロモーションが行われました。
  • 効果: フェス参加者だけでなく、ラジオリスナーもイベントの熱気を共有できるようになり、ラジオ局のブランドイメージ向上やフェスの集客増加につながりました。

「ラジオ×雑誌」連携プロモーション

事例: ZIP-FM「ミュージックサーフィン × 音楽雑誌連携」

  • 概要: 名古屋のラジオ局ZIP-FMが音楽雑誌と連携し、ラジオ番組「ミュージックサーフィン」で取り上げたアーティストや楽曲に関する詳しい情報を雑誌で紹介。ラジオでの放送後、雑誌の特集記事でさらなる詳細情報やインタビューを提供する形で、メディア間のクロスプロモーションを実現しました。
  • 効果: 雑誌とラジオのリスナー層を共有することで、両メディアのファン層を拡大し、広告効果を高めました。

これらの事例から、ラジオと他のメディアが連携することで、異なるメディアの特性を活かしながら、広範囲なターゲットへのリーチやエンゲージメントを高めることができることがわかります。

 

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ラジオが発揮する他メディアとの高い親和性
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ラジオは、その独自の特性により、他のメディアと高い親和性を持つとされています。以下にその理由を説明します。

1. マルチタスクとの相性

ラジオは「ながら聴き」ができるメディアとして、他のメディアと同時に使用されることが多いです。例えば、テレビやSNSを見ながらラジオを聴くことが可能です。これにより、ラジオは視覚メディアと並行して利用されることで、情報伝達の補完や強化が図られます。

2. リアルタイム性と柔軟性

ラジオはリアルタイムで情報を伝える力が強く、ニュースや緊急時の情報伝達でその真価を発揮します。このリアルタイム性は、SNSやオンラインメディアと連携することで、瞬時に広がる情報共有やキャンペーン展開が可能になります。

3. パーソナルな接触

ラジオはパーソナルなメディアであり、リスナーに対して親近感を抱かせる効果があります。この親近感は、ラジオパーソナリティが広告やキャンペーンを紹介する際に、信頼感を高め、他メディアでの広告効果を補強する役割を果たします。

4. 低コストでの実施

ラジオ広告は、テレビやインターネット広告に比べて制作費や放送費が低いことが多いため、他メディアと組み合わせて効果的に活用できます。例えば、テレビCMやデジタル広告と連動して、ラジオで補完的なメッセージを伝えることで、予算を抑えつつ広範囲にリーチできます。

5. 地域密着性

ラジオは地域に密着したメディアとして、地域ごとのリスナーに直接訴求する力があります。これにより、地方紙や地域イベントと連携することで、ターゲットエリアでの効果的なプロモーションが可能になります。

6. クロスメディアキャンペーンの促進

ラジオは、SNSやウェブサイト、雑誌、イベントなどと組み合わせたクロスメディアキャンペーンを効果的に行うことができます。ラジオでのプロモーションをきっかけに、他メディアへの誘導を行い、全体としてのキャンペーン効果を最大化することができます。

まとめ

ラジオの他メディアとの親和性は、そのマルチタスク性、リアルタイム性、低コスト、地域密着性などに起因します。これらの特性により、ラジオは他のメディアと連携することで、広告やプロモーションの効果を最大化するための強力なツールとなります。

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